空間を制する! その1 演武のときの意識空間 | 「達人への道」

空間を制する! その1 演武のときの意識空間

少林寺拳法の女性拳士のお客様が来られた際、おもしろい話になりました。                                                    
                                                                                                                                                                            
                                                                                                                                                                                  「最近、演武している最中に他の人が自分達のそばに来ると、いやな感じがして演武が止まってしまう」というのです。これは、おそらく二人の意識が調和してできた空間(二人にとっては聖域みたいなもの)が侵されたからではないか?と答えました。見ごたえのある演武は、意識空間が会場を包み込み、見ている人を魅了させるものです。反対に見ていて退屈な演武は二人だけの小さな世界に閉じていて何も伝わってきません。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                     
数年前、全国大会を見に行ったとき、四段以上の部の組演武を見ていて、とある組が入場して合掌礼をした姿を見た瞬間、「たぶんこの組が優勝するで」と言ったら見事に優勝したことがありました。立ち姿、歩き方などが綺麗で、見事に調和していたのを覚えています。今から思えば、二人の心が調和して一つとなり、内的な意識空間がドーンと広がっているのを無意識的に感じたのかもしれません。