空間を制する! その2  攻者の空間制御 | 「達人への道」

空間を制する! その2  攻者の空間制御

演武でも乱捕りでも、相手に攻撃する場合は、打撃を当てる前に空間を制しておかねばなりません。                                                    
                                                                                                                                                                          
                                                                                                                                                                                 

1.攻撃意識を出して自分の内的空間を広げ、相手の内的空間に侵入する(要するに気迫で相手を追い詰め、びびらせて居着かせるということ)
2.踏み込んで実際の間合いを詰める
3.打撃を当てるの順番となります。

これが1、2の段階を飛び越えて、ただ当てようとして不用意に飛び込めばカウンターの餌食となるか、簡単に空かされてしまうことでしょう。まずは、意識の戦いにおいて陣地取り合戦に競い勝つことが先決なのです。「沖縄武道空手の極意 新垣清著」では仮想重心という言葉で説明しています。多くの人は踏み込みながら(飛び込みながら)突いたり蹴ったりしています。これは守者としては、起こりが見え見えでとてもかわしやすいのです。少林寺拳法の演武ではほとんどがこういう攻撃になってしまっています。だから、乱捕りで突然使えなくなるのです。要するに攻撃が攻撃になっていないのです。意識空間を制するということは実際にボコボコの殴り合いをした経験がない人にはなかなか理解できないものです。相手に攻撃が届かないという人は、試しに今まで以上にしっかりと踏み込んだ後で、突いたり、蹴ったりしてみてください。(踏み込みながらはダメ)これだけでも守者側としては居着きやすいし、タイミングがずれてかなり受けにくくなるはずです。 (つづく)