通背拳の特徴 | 「達人への道」

通背拳の特徴

とってもご無沙汰の武術日記です。



中国伝統武術の通背拳もなんだかんだやりはじめてもう丸3年以上経ちました。


よくよく考えたら、大学で少林寺拳法やってた期間ぐらいはやってることになるんですよね。


まあ、週一で休み休みですが。



ただ、継続は力なりで、通背拳の面白さもようやく味わえるようになってきました。


通背拳の特徴をあげてみました。


1.名前のとおり、「腰背から発する力を手足に通す」こと。背中といっても腰と背中の間ぐらいでしょうか。外から見ると軽い手打ちに見えますが、受けて見るとその威力に驚きます。



2.後ろ脚に重心がのっていて、重心の移動がない。つまり、「起こり」がないのでとてもかわしにくい。独特な歩法によりスーッと侵入していく感じです。



3.とにかくスピードが速い。自分の体の中心から、相手の体の中心に向かって次から次への繰り出されるいやらしい攻撃の連続で初めて受けると文字通り、面喰ってしまいます。上級者は「意念(いねん)」を使うことでさらにかわせない攻撃になります。



4.防御の概念がない。来たら打つ、来なくても打つ。とにかく攻撃しまくって倒すことしかない。少林寺拳法の守主攻従の真逆ですね。



5.基本功=攻撃技になっている。つまり、基本練習がそのまま実戦練習になっている。一人でも強くなれる。



ざっと主だった特徴をあげてみました。


通背拳は中国武術の中でも変わった存在で、太極拳などとはまったく力の出し方が違い、独特の風格があるのです。外から見てたら何やってるのかわからないし、あまり、かっこよくないのですが、手合わせすると凄く強い武術です。


やればやるほど、本当によく考えられた拳法だと思います。相手を倒すことだけに注力してできた武術と言えるでしょう。哲学は「喧嘩で勝つ!」でしょうか。


通背拳は今のような平和な日本ではあまり普及しない武術かもしれませんね。なんせ、攻撃もエグいし、痛いし。基本功は辛いし(^_^;)


基本功ができるようになり、楽しくなるまで、強くなるまで時間がかかる・・・でも、一度身についたら一生もの。そういう長時間かけて熟成していく。こういうところはいかにも中国武術ですね。