気配を消す
武道、武術をしている人にとって、気配が消せることは大変重要です。
気配が消せれば相手に察知されずに近づくことができます。相手に察知されずに攻撃を当てることも、攻撃をつぶすこともできるということです。
気配=力み・緊張です。
体の中に力み・緊張がある人はそれだけで気配となり、違和感・ノイズとなり、周りの人間に(動物にも)感づかれてしまいます。
人間は想像以上に敏感にできていますから、意識していなくても力んでいる人の気配には気づくものです。
もちろん、心の緊張も気配となって伝わります。
ですから、心身ともにリラックス状態であれば、見事に気配が消えるというわけです。
自分の身体で色々と検証してきましたが、どうやら操体で身体を練っていれば自然と気配は消えてくるようです(^。^)
胴突きのアドバイス
現役の大学生少林寺拳士が操体を受けに来てくれました。感想をいただいたのでご紹介します↓
胴をつけて開足中段構えで対峙し、中段の振子突をやってもらいました。肩、拳、腕が力んでおり、力が徹ってこない。臍が正面を向いていません。これではまったく威力は出ません。振子突きのコツは手と足を一致させること。これが一番大事なのです。肘と膝、肩と腰が同時に動いているか?これができれば少林寺拳法の基本はマスターしたと言ってもいいでしょう。ちなみに柔法などすべての技で同じ動きとなります。よくできていると思います。後は力まず、拳をポンと放り出すような感じで突くこと。いい感じで力が徹れば「パ-ン」といい音が出ます(^^)これだけはできる人に突かせてもらってアドバイスしてもらわねばなかなか分かりません。闇雲に突いて練習しても×です。アドバイスしながら何度か突いてもらっていると上手く力が徹るようになりました!私も大学生時代は拳立て一日200回ぐらいやってましたが、今では50回もできないでしょう。それでも突きの威力は格段にUPしました。しかも速いし、疲れない。身体の使い方を学べば歳をとっても拳法で楽しむ余地はイッパイありますね~まだまだ現役大学生には負けませんよ(^。^)
上中ニ連突
とある練習会にて2級の女性拳士から質問がありました。
「上中ニ連突のときに順突が弱くなってしまう。うまくできない。」 ということでした。やってみてもらった後にアドバイスしたのはまずは軸の意識。構えて千鳥に出て順突をしたときには前股関節に軸が移っていることを意識する。そしてその軸を回転させて後ろ肩と腰を前へ出すイメージ。(前の肩を引く意識よりも、後ろの肩を前へ放り出す感じ)自分の正中線を軸にしている人が意外と多いのですが、これでは少林寺拳法の動きにならないし、突きの距離が伸びません。後は肩甲骨を開いてできるだけ遠くを突くということ。肩を返せとよくいいますが、肩を返してはしまうと臍が横を向いて押し負けるので、肩甲骨を開いて(背中を開いて)正面を突くことが大事です。これにより、飛距離が一気に伸びて威力もアップします。肩甲骨がわかりにくければ、「背中をつかって突くようにしてください」「背中の鳥のようになっている骨から突くようにしてください」というアドバイスだけでも随分といい動きになってくると思います。肩甲骨を上手く使うのは受けでも同じです。是非、お試しください。単独演武などをしても迫力が一気に増しますよ!
肩をゆるめるエクセサイズ
少林寺拳法、カポエイラをされているお客様に肩をゆるめるエクセサイズを紹介しました。 まずは何もしていない状態で諸手で手首を掴んで引っ張り崩します。相手は耐え切れずにその場から動いてしまいます。また手首をもって垂直に持ち上げるのを耐えてもらいます。これも相手は耐え切れずに肩を浮かせてその場から動いてしまいます。そこで肩をゆるめるエクセサイズです。ぶらんぶらんとブランコのように前後に腕を気持ちよく振るだけ。痛くなったり疲れたりするということは肩の筋肉に余計な力が加わっているということなのでNGです。ただただ紐のように振る。これでかなり肩が緩みます。手首を引っ張ってもびくともしなくなればひとまずは合格です。面白いので試しにやってみてください。
まっすぐに立って歩く練習
少林寺拳士のお客様が来られて、「前にブログに書いていたキャスターつきのバッグでコロコロの音が変わらないように歩く練習はイメージしやすかった」といわれました。 ちょっとレベルをあげた応用として、正面から両手首をガッチリ掴んでもらい、こちらが歩いて前進するのを阻止してもらい、それに対して前へ歩いて相手を軽く余裕で動かすことができるかどうか?を検証する練習をしました。これは肩や肘が緩んでしまって力が分散しやすいので、ただ前から胸を押さえつけてもらうのよりも難しくなります。また、まっすぐ立つということができないとどうしても体軸を傾けて相手に体重を預けようとしてしまいます。こうなるともう動きません。要するにもたれては駄目なのです。体重移動が起こっては駄目。ただまっすぐ立って、膝を緩めて、触れられたところの圧力を変えず、肩、肘を適切な位置に固定して、骨盤を平行移動させて歩くと相手はまったく抵抗できません。もちろん、後ろへ歩いても、振り返るような円運動をしても一緒。手首と丹田の位置関係が変わらないということ。丹田に意識を置きながらやるとかかりやすいです。お茶の乗ったお盆を持ってこぼさず歩くイメージでやるとできると思います。面白い実験なので是非お試しください。
沖縄古流空手おそるべし!
今日、来られたのは長野県からあの有名な宇城憲治先生の「東京宇城塾」に毎月通われている人でした。
せっかく東京に行くのだから、と色々と調べていたら操体を見つけて、たまたま来てみたら予想以上によかったということで、本日2回目の施術となりました。 「立ち方の質が変わる」これに価値をおく人にとっては操体は本当に魅力度高いと思います。
もちろん、盛り上がるのは武術の話。マニアなお方で、胴体力の伊藤先生のところにも通っていたそうです。
「伊藤先生の胴体力は理屈はわかるが、段階的にやらないとなかなか上手くできなかった。宇城先生の空手をベースとした身体操作は言われた通りにやると誰でもできてしまうけれど、理屈がまったくわからない」と言われていました。
・踵をコンとつけると立ち方がよくなってふらつかなくなる
・金魚の口のようにパァ~とすると力が出る
・空手の型で前屈すると柔かくなって手が地面に着く
などなど~
本人の自覚がないまま力が出たり、身体が柔らかくなったりするのです。 教えてもらったとおりに実際にやってみると、確かにその通りになります。 まったく理屈はわかりません。沖縄古流空手というのは、「こうすれば気の流れがよくなる」など人体の秘密をたくさん知っているのでしょう。 う~ん、まだまだ知らない世界がありますね。 「ああ、それはこれこれこういうことですよ。」とさらっと説明できるぐらいになりたいものです^_^;
イメージで腰を掴む!
相手と触れたときに、相手の身体と自分の身体をつなげるというのはとても大事なことです。
掴れて押し引きされたとき、適切な位置にすっと入って鉤手守法になり、相手の腰(中心)をイメージで掴みます。(別に鉤手の形でなくてもできる)そうすると相手と自分が一体となり、ちょっとこっちが腕を引けば相手は腰から崩れてしまいます。掴れた部分をふにゃふにゃにして圧を変化させないということだけでも崩れはしますが、相手の腰は残ってしまいます。できてるかどうか?は相手が腰から崩れるかどうか?が一つの指標となるでしょう。「まだ繋がっていない」「あっ!繋がった」というのは感覚で分かります。これはできる先生の手をとって教えてもらいながら感覚を磨くことでだんだんとわかってくるものだと思います。腰を掴んで崩してしまえば後の技は自由自在です。形は関係なくなってきます。
キャスターつきのカバンで歩く練習
キャスターつきのカバンをごろごろと引いて歩いていたときに、ふと気づきました。
触れた圧を変えずに等速で歩くいい練習になる!
まっすぐに立ち、膝を少し緩めて、腰を平行移動させます。できるだけキャスターのごろごろの音が変わらないように意識します。
この歩き方ができれば、がっちり腕を掴まれても、前から押して止めようとしても相手の方が崩されて動いてしまいます。
いわゆるなんば歩きです。お盆にお茶が入った湯飲を置いて、こぼさないように歩くのと同じ感じです。ちなみに一本歯の高下駄に慣れるとこういう歩き方に自然となります。
カッターナイフで柔法の練習
まっすぐ腰・背骨を立てる、肩の力を抜く、筋力でなくて腕の重さをそのまま使う!小指を意識する。
これでカッターを切ると刃先に自然と重さが乗り、力みが一切なくスイっと切れます。
もちろん、おさえる方の手もぶらぶらに脱力して筋力を使わずに腕の重さだけを伝えます。
これは柔法と同じ原理!自分の手の重さをいかに相手に伝えるか?のよい練習になります(^。^)
身体力学研究会 「正しい立ち方」
身体力学研究会
の飯田先生を講師にお招きして、いつも練習している少林寺拳法仲間と講習会を受けてきました。
二回目の講習会でしたが、前回よりも理解が進み、かなりの精度で技がかかるようになりました!やはり、正しい立ち方さえできてしまえば、あとは柔らかい触れで圧を変えない、全身を同時に動かす、というコツで柔法系の技は何でもござれになります。最近は腿に力みがなくて、すぐに動けるような立ち方を自分なりに検証していたのですが、飯田先生にチェックしていただいたら、正しい立ち方になっていたようです。しかし、立ち方ができてる、できてないというのがパッとひとめで解るのが凄いです。先生がちょっと修正するだけで、今までまったくできなかった人でも技が簡単にかかるのですから驚きです。
正しい立ち方とは、地面へ力がアースする立ち方です。これは逆に言えば、地面からの力が相手に伝わる立ち方でもあります。もちろん全身リラックスです。よくよく見るとできている人の立ち方は足が長くみえてお腹から腿の縦のラインがスッとまっすぐ落ちているのがわかります。(実は写真で観る限り、開祖の立ち方も同じです!)骨格的にベストな位置にしっかりとはまればそれだけで身体の中の力の流れが変わるのです。これは言葉で言うのは簡単ですが、微妙な世界でとても難しい!私は操体をやっていたおかげで身体のバランスが整っている方なので、かなり近道させてもらいました。立ち方がしっかりできていれば打撃も格段に威力アップして浸透します。視界も広がり、相手の動きがスローに見えます。柔法も触れるだけで相手が崩れてぶつからずに投げれたり、倒したりすることができます。できているかどうか?を「遊び」と言われる技で検証するのでまったくごまかしが効きません。まさに自分の身体との対話がすべての稽古です。
この前の散打友好大会でなぜ相手の動きがよく見えたのか?立禅や這いをやったからというよりも、前回の大会のときよりも、立ち方自体がよくなっていたからだったのです!ここに来て、ようやく「まっすぐに立つ」という感覚がつかめたのでこの精度とレベルをさらにアップさせていきたいと思います。ただ、「立つ」ということだけでもこれだけ遊べるとはまだまだ身体は奥が深いです(^。^)